Table for All 食物アレルギーケア

●日常生活の工夫
栄養を補うポイント

食物アレルギーによって不足してしまいがちな栄養素や、不足分を補って栄養バランスのよい食事を摂るポイントをご紹介します。

国立研究開発法人
 国立成育医療研究センター
 大矢 幸弘先生 監修

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不足しがちな栄養素と補うポイント

原因食物に含まれる栄養

食物アレルギーがあって食べられない食材があると、その食材に含まれる栄養素の不足が心配になりますよね。アレルギーの原因となる食材にも、お子さんの身体の成長に必要な栄養素が含まれています。
ここでは、アレルギーのおもな原因食物の「卵」「牛乳」「小麦」がどのような食品に含まれているのか、またどのような栄養素が含まれるのか、その栄養素の代わりとなる食材の摂り方をご紹介します。

卵

卵(鶏卵)が含まれるもの

  • マヨネーズ
  • 焼きちくわ、かまぼこ、はんぺんなどの練り製品
  • ハム、ウィンナーなどの肉類加工品
  • 惣菜パン、菓子パン
  • 鶏卵を使った天ぷらやフライ
  • 鶏卵をつなぎに使っているハンバーグや肉団子

卵(鶏卵)が含まれる栄養素

  • たんぱく質

代わりとなる食材の取り方

鶏卵1個(約50g)あたりたんぱく質6.2g

  • 肉薄切り2枚(30〜40g)
  • 魚 1/2切(30g〜40g)
  • 豆腐(絹ごし)1/2丁(130g)
代わりとなる食材の取り方

牛乳 牛乳

牛乳が含まれるもの

  • ヨーグルト
  • チーズ・バター
  • 生クリーム、全粉乳、脱脂粉乳、乳酸菌飲料、はっ酵乳、アイスクリーム
  • パン
  • カレー、シチューのルウ
  • ハム、ウィンナーなどの肉類加工品
  • チョコレートなどの洋菓子
  • 調味料の一部など

牛乳が含まれる栄養素

  • カルシウム
  • たんぱく質

代わりとなる食材の取り方

普通牛乳100mlあたり カルシウム100mg

  • 豆乳 350ml~750ml
  • ひじき煮物小鉢1杯
  • アレルギー用ミルク 200ml
代わりとなる食材の取り方

小麦 小麦

小麦が含まれるもの

  • パン
  • うどん
  • マカロニ、スパゲティ、中華麺
  • 餃子や春巻の皮
  • お好み焼き、たこ焼き
  • 天ぷら、とんかつなど揚げものフライ
  • カレー、シチューのルウ
  • ケーキなどの洋菓子
  • 饅頭などの和菓子

小麦が含まれる栄養素

  • 炭水化物

代わりとなる食材の取り方

食パン6枚切1枚あたり(薄力粉45g相当/強力粉30g相当)エネルギー160kcal

  • ごはん 100g
  • 米麵(乾麺)40g~50g
  • 米粉 40g程度
代わりとなる食材の取り方

牛乳に含まれるカルシウム

牛乳に多く含まれるカルシウムには、小さいころから積極的に摂ることで骨を作る役割があります。
牛乳には100ml当たり110mgのカルシウムが含まれており、幼児期では400~600mg、学童期では600~800mgのカルシウムを摂取することが望ましいとされています。カルシウムが他の食品よりも多く含まれている機能性表示食品なども利用してみましょう。
 ニッポンハムのみんなの食卓シリーズからは「ポークウイニー」はもちろんのこと、ハンバーグやミートボールもカルシウムが含まれている機能性表示食品です。日々の食事に積極的に取り入れ、お子さんが小さいうちからしっかりとカルシウムを摂取して丈夫な骨を作っていく手助けとして利用してみてくださいね。

商品画像

みんなの食卓 ポークウィニー

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みんなの食卓 ハンバーグ

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みんなの食卓 ミートボール

 必要以上に、除去しすぎたり、制限しすぎるのはお子さんの成長にも妨げることにもつながってしまいます。わからないことで不安になることもあるかと思いますが、お医者さんの診断のもと、食べてもいい食材・除去する食材を確認して、日々の食卓に様々な食材を盛り込んでみましょう。小さいうちから少しずつ、様々な種類の食品を使って、豊かな食生活を提供してあげてくださいね。

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各栄養素の働き紹介

三大栄養素

たんぱく質

私たちの身体を作っている主な構成成分で、成長にも関わる大切な栄養素です。血や肉、骨、臓器などの主な材料にもなっています。成長に合わせてどんどん要求量は上がってきます。また、身体の中で燃焼して、エネルギーをつくる働きもあります。肉や魚、卵や大豆製品などに多く含まれています。
一方で、食物アレルギーの原因(アレルゲン)になるのもたんぱく質です。たんぱく質を含む食品はたくさんあるので、アレルゲンの食品を除去しても、食べられる食品でたんぱく質を補うことが出来ます。

炭水化物

主にエネルギー源となり、私たちの身体を動かしたり、生きていく上で大切な栄養素です。成長期の子供は代謝が激しいので要求量もふえます。主に主食であるご飯やパン、麺類などに多く含まれます。大切な栄養素なので、毎食欠かさず摂る必要があります。また、目安として食事の半分の量はご飯など、食べられる主食を摂りましょう。

脂質

身体の中で燃焼され、エネルギーとなります。たんぱく質や炭水化物に比べ、2倍以上のエネルギーを産み出します。調理に使う油には多くの脂質が含まれますが、他の食品にも脂質は含まれていますので、脂質の摂りすぎにつながりやすくなります。油を使う揚げ物や炒め物などは控えめにしましょう。

以上が三大栄養素といい、体温を保ったり、活動するのに必要な熱や力を生み出すエネルギー源になる基本的な栄養素です。

子供の場合、新陳代謝も激しい上に活動量も多く何と言っても成長のためにもエネルギーをたくさん使うので、不足しないようにすることが大切です。 たくさん食べる、というよりも1日3食を規則正しく食べることが基本です。

ビタミン・ミネラル

ビタミン・ミネラルは、種類がいろいろあって、働きもそれぞれ違います。 ただ、共通点としては、エネルギーを産み出す三大栄養素の働きを助けたり、身体の調子をうまく調節する働きがあることです。さらに、ミネラルの中には身体を作る材料になるものもあります。

<ビタミン>

ビタミンA

不足するとトリ目(夜盲症)になることで有名なビタミンです。目の働き、皮膚や爪、粘膜などの健康にも関わるため、不足すると疲れ目や視力低下などのトラブル、また、風邪をひきやすくなったりします。

ビタミンD

健康な骨や歯をつくるのに大切な栄養素です。カルシウムの吸収を助けて成長や骨の形成に脇役ながら重要な働きをしています。

ビタミンB

身体の中の様々な代謝を円滑にするために酵素というものが働きます。その酵素の働きを助ける補酵素の役目をするのがビタミンB群です。ですからビタミンB群が不足すると身体が正常に働かなくなってしまいます。

ビタミンB1

炭水化物がエネルギーに変わるときの補酵素として働きます。

ビタミンB2

脂質がエネルギーに変わるときの補酵素として働きます。また、たんぱく質の代謝にも関わります。

ビタミンC

皮膚や骨などの細胞の結合に関わるコラーゲンの生成と関係が深い他、免疫力を高めて風邪を予防するなど、大切な働きをします。

<ミネラル>

カルシウム

骨や歯の主成分です。また、身体の中のカルシウムのうち99%は骨や歯に存在しますが、残りのわずか1%は筋肉の収縮や血液の凝固、精神の安定など、大切な働きをしています。

血液中のヘモグロビンと結合して身体に酸素を運びます。不足すると、息切れや動悸、めまい、疲労などの症状が起こり、免疫力が低下します。ひどくなると鉄欠乏性貧血が起こります。

亜鉛

体内のいたるところで活躍する栄養素で、300種類以上の補酵素として働きます。特に身体をつくるたんぱく質や遺伝子を合成する酵素、骨を成長させる酵素などは亜鉛がなければ働けないので、亜鉛が不足すると大きくなれません。二次成長が順調に進む為にも大切な働きをしています。

マグネシウム

亜鉛と同じく体内で300種類ほどの補酵素として働きます。中でも カルシウムの調整役が重要で、カルシウムもマグネシウムあってこそ有効に働くといっていいくらいの大切な働きがあります。

その他

食物繊維

エネルギーに変りにくい性質を持っている上、体調を整えたり余分なエネルギーを蓄積するのを予防するためにも大切です。腸の働きを活発にして排便を促したり、腸内の有害物質を取り除く、いわば腸のお掃除屋さんです。便秘予防のためにもしっかりととるよう、こころがけましょう。

食塩相当量

普通に食事をしていれば不足することはけっしてありません。むしろ、摂りすぎに気を付けなければいけません。食塩そのもの以外に、醤油や味噌などの調味料の他、様々な加工品にも多く含まれるので気をつけましょう。

三大栄養素もビタミンやミネラルも、どちらも健康な発育にとってはなくてはならないものです。
ビタミンやミネラルは様々な食品に含まれます。色々な食品をまんべんなく食べることによって補われます。除去している食品以外の、食べられる食品を上手に選んで季節の色々な食品を食卓に入れていきましょう。

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3~17歳の食事摂取基準

1日の食事は朝・昼・夕の3食と場合によってはおやつ(間食)で構成されています。
このホームページでのレシピは単品(おやつ、おかず)または1食分ですので、色々な お料理と組み合わせて、トータルで食事摂取基準を満たすよう心がけて下さい。

食事摂取基準

食事摂取基準とは、1日に摂るエネルギーと各栄養素の必要な推定量を言います。ただし、1人1人は成長の仕方も活動量も違いますので、あくまでも目安として考えましょう。

                
年齢 3〜5才 6〜7才 8〜9才
性別
エネルギー(kcal) 1300 1250 1550 1450 1850 1700
たんぱく質(g) 25 25 35 30 40 40
脂質(g) 29〜43 28〜42 34〜52 32〜48 41〜62 38〜57
炭水化物(g) 163〜211 156〜203 194〜252 181〜236 231〜301 213〜276
ビタミンA(μg) 500 400 450 400 500 500
ビタミンB1(mg) 0.7 0.7 0.8 0.8 1.0 0.9
ビタミンB2(mg) 0.8 0.8 0.9 0.9 1.1 1.0
ビタミンC(mg) 40 40 55 55 60 60
ビタミンD(μg) 2.5 2.5 3.0 3.0 3.5 3.5
カルシウム(mg) 600 550 600 550 650 750
鉄(mg) 5.5 5.0 6.5 6.5 8.0 8.5
マグネシウム(mg) 100 100 130 130 170 160
亜鉛(mg) 4 4 5 5 6 5
年齢 10〜11才 12〜14才 15〜17才
性別
エネルギー(kcal) 2250 2100 2600 2400 2850 2300
たんぱく質(g) 50 50 60 55 65 55
脂質(g) 50〜75 45〜70 58〜87 53〜80 63〜95 51〜77
炭水化物(g) 281〜366 263〜341 325〜423 300〜390 356~463 288~374
ビタミンA(μg) 600 600 800 700 900 650
ビタミンB1(mg) 1.2 1.1 1.4 1.3 1.5 1.2
ビタミンB2(mg) 1.4 1.3 1.6 1.4 1.7 1.4
ビタミンC(mg) 75 75 95 95 100 100
ビタミンD(μg) 4.5 4.5 5.5 5.5 6.0 6.0
カルシウム(mg) 700 750 1000 800 800 650
鉄(mg) 10.0 14.5 11.5 14.5 9.5 10.5
マグネシウム(mg) 210 220 290 290 360 310
亜鉛(mg) 7 7 9 8 10 8

※この数値は身体活動レベルII 日本人の食事摂取基準2015年版の活用による。

参考文献

  • 新版 食物アレルギーの栄養指導(医歯薬出版株式会社)厚生労働科学研究班による調査報告書
    食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017

監修・協力

大矢幸弘先生

大矢 幸弘先生

国立成育医療研究センター
アレルギーセンター長

国立名古屋病院小児科、国立小児病院アレルギー科などを経て、2002年から国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科医長、2015年に国立研究開発法人への改組を経て現在に至ります。小児アレルギー疾患(気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、消化管アレルギー)のガイドライン作成に委員として関わっています。

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