Table for All 食物アレルギーケア

●食物アレルギーについて
食物アレルギーの症状

食物アレルギーの主な症状や、症状が出てしまった場合の具体的な対処方法をご紹介します。

国立研究開発法人
 国立成育医療研究センター
 大矢 幸弘先生 監修

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食物アレルギーの症状

アレルギー症状で、最も多いのが皮膚症状です。呼吸器症状、粘膜症状、消化器症状などの症状も同時または別々に出現します。

皮膚症状 かゆみ、じんましん、むくみ、赤くなる、湿疹
呼吸器症状 くしゃみ、鼻づまり、鼻水、せき、息が苦しい(呼吸困難)、ゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)、犬が吠えるような甲高いせき、のどが締め付けられる感じ
粘膜症状 眼:充血、眼のまわりのかゆみ、涙目 口腔:口腔・唇・舌の違和感・はれ
消化器症状 下痢、気持ちが悪い、吐き気、嘔吐、血便
循環器症状 脈が速い・触れにくい・乱れる、手足が冷たい、唇や爪が青白い(チアノーゼ)、血圧低下
神経症状 元気がない、ぐったり、意識朦朧、尿や便を漏らす
全身症状 アナフィラキシー

< 即時型食物アレルギーの症状 >

食物アレルギーの症状

(アレルギー 65(7) 942-946. 2016(平成28) 図4より一部改変)

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アナフィラキシーとは

アナフィラキシーの症状
複数の部位に同時に強い症状が現れた状態。迅速な対応が必要となります。
  • 全身の症状
    • ぐったり、意識もうろう、尿や便を漏らす、脈が触れにくい、脈が乱れる、唇や爪が青白い(チアノーゼ)
  • 呼吸器の症状
    • のどや胸がしめつけられる、声がかすれる、犬が吠えるような咳、息がしにくい、持続する強い咳き込み、ゼーゼーする呼吸
  • 消化器の症状
    • 持続する(がまんできない)強いお腹の痛み、繰り返し吐き続ける
  • アナフィラキシーショック
    • アナフィラキシーの症状の中でも血圧低下や意識障害などショック状態にあるとき、 死ぬ危険性が高いので大至急対処しなければなりません。

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食物アレルギーと間違いやすい症状

似たような症状でも食物アレルギーではない場合があります。IgE抗体など免疫の働きが関係していない点が大きな違いです。

食中毒

例)細菌やウイルスなどにより汚染された食品を食べた場合、発熱や腹痛、嘔吐などの症状を発症します。

食物不耐症

例)乳糖不耐症…牛乳等に含まれる乳糖を消化する酵素(乳糖分解酵素)の力が弱いため、飲むと下痢を起こします。

薬理活性物質

例)傷みやすい魚の場合、鮮度の低下により魚肉中にヒスタミンが作り出され、その魚を食べた際、皮膚が赤くなる事があります。

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食物アレルギーの対処法

食物アレルギーの対処方法には、アレルギー症状が出た時の対処と、アレルギー症状が出ないように予防する対策があります。

食物アレルギー症状が出たときの対処法
食物アレルギーをもった患者さんは原因食物を誤って食べてアレルギー症状が惹起することがあります。すぐに対処できるように下記の薬の幾つかを常時携帯することが勧められます。どのような症状でどの薬を使うか医師の指導を受けて下さい。

特に、アナフィラキシー(アナフィラキシーショック)の時は、生命の危険もあり得るので、迅速な対処が必要です。そのため、アドレナリン自己注射器(エピペン®)を事前に処方されており、常時携帯するように指導を受けている患者さんもいます。

エピペン®は患者さん本人や家族が病院を受診する前に注射する薬です。注射の仕方を日頃から練習用トレーナーで反復練習し、注射するタイミングを家族で確認しておくことが大切です。本人・家族に代わって園・学校の先生、救急車の救急救命士も注射することができます。

いつも携帯する薬の例

  • 抗ヒスタミン薬
  • 気管拡張薬
  • ステロイド薬
  • アドレナリン自己注射製剤(エピペン®)

2011年9月~ 健康保健適用

いつも携帯する薬の例

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緊急時の対応方法

アレルギー症状かもと思ったら

日々の食生活、保育園や幼稚園、学校などで保護者の方の目からお子さんが離れて生活しているとき、また、ご家族やお友だちと一緒に過ごす日々の生活や外出先で、いつもと違う様子が見られたとき、もしかしたら、「アレルギー症状かも?」と不安に思ったり、焦ったりするときがあるかもしれません。
そんなとき、それがアレルギー症状なのか、もしアレルギー症状の場合、どのような対応したらいいか、またそれは緊急性のあるものなのか、どこに頼ったらいいのか、などがわからず、困ってしまう場面があるかもしれません。
ここでは、「もしかしたら、アレルギーを発症してしまったかもしれない」と思ったときに、どう判断して、どう対応したらいいのかを紹介しています。
また、アレルギー発症時とは、いつもと異なる症状の発症だけでなく、アレ ルゲンを含む食品を誤って食べてしまったり、あるいは食べてしまったことが考えられる場合や、口にするだけでなく、 アレルゲンが皮膚についたり、目に入る等の状態に気づいた場合のことをいいます。

緊急性が高いのはどういうとき?

アレルギー症状が起きてしまったとき、その中でもどういう症状が緊急性があって、ただちに対応を取らないといけないのか、判断できない場面も出てくるかもしれません。そんなときは、下記の緊急性が高いアレルギー症状の項目を確認して各症状が1つでも見られた場合は、エピペン®(PF上にて該当するページがある場合リンク)の使用、救急車の要請などの対応が必要です。

症状を観察するときは

アレルギー症状は、急激に変化したりすることもあるため、5分ごとに症状の経過を観察して、注意深く様子を見てみてください。チェックシートは複数枚用意して、症状を観察する際の記録用紙として使用できます。
どのような対応をしたらいいのか、万が一の場合に備えた対応の仕方を知っておくことで、少しでも気持ちが楽になるかもしれません。
大切なお子さんの命を守るためにも、上記資料をもとにご家族や周りの方と一緒に事前に備えてみてくださいね。

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もしかして?と思ったら

毎日の食生活で食事中、食事後にアレルギーで認められる症状のどれかがでた場合は、食物アレルギーが発症していることがあります。強い症状ではすぐに病院を受診しましょう。
口の周りが少し赤い、嫌がって出してしまうなどのはっきりしない場合は、食事日誌に食べた食品と症状がでた時間などを記録しておくと、2回以上同じ症状が出た場合、アレルギーである可能性が高くなります。
アトピー性皮膚炎などがある場合は、痒みや湿疹が赤くなった程度では関連がわからないことがあります。この場合も日誌に記録しておくと原因がわかることがあります。病院受診時にみてもらいましょう。

監修・協力

大矢幸弘先生

大矢 幸弘先生

国立成育医療研究センター
アレルギーセンター長

国立名古屋病院小児科、国立小児病院アレルギー科などを経て、2002年から国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科医長、2015年に国立研究開発法人への改組を経て現在に至ります。小児アレルギー疾患(気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、消化管アレルギー)のガイドライン作成に委員として関わっています。

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