瀧真奈美先生コラム

「栄養バランス」をよくする3つのポイント

食物アレルギー分野管理栄養士 瀧真奈美先生


オンライン栄養相談にご協力いただいている食物アレルギー分野管理栄養士の瀧先生のコラムが公開!
今回のテーマは、食事の基本、「栄養バランス」のよい食事です。 アレルギーのある方もない方も、このコラムを読んで少しでも日々の食生活を見直すきっかけにしてみてください。

お話を聞いた人


食物アレルギー分野管理栄養士

瀧 真奈美先生

食物アレルギー分野管理栄養士・栄養士は、根拠に基づいた診断と治療の最前線を学びながら現場を振り返り、リスクマネージメントを考慮した安全な食の提供と栄養教育をめざす専門家であり、指定する研修プログラムを修了し、かつ認定試験に合格した者を公益社団法人日本栄養士会が認定するものです。
※日本栄養士会HPより引用(2021年5月時点認定者総数71名)

食物アレルギー分野管理栄養士の瀧です。好きな野菜は、にがうり(ゴーヤ)です。
毎日のお食事作りに、すぐに役立ち、実践しやすい栄養コラムを連載することになりました。おいしく、楽しく、わかりやすい内容にしていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

【「栄養バランス」をよくする3つのポイント】


今回は「栄養バランス」。栄養士として、一番お伝えしたいことなので、力が入ります!
「食」という字は、よく見ると「人」を「良」くすると書きます。人生100年時代、生きている間に摂る食事の回数は、なんと、なんと、10万回を超えるんですよ。すごい。
しっかりとした身体や、脳の活動を支えて、元気に生きていくためには、食事のバランスや食べ方が重要になります。

わかってるけど、いまいちバランスよく食べるって、なんだかよくわからないなあ・・・ですよね。
そこで、今回お伝えしたいバランスよく食べるために押さえたいポイントは、この3つ!!!

①適量 ②内容 ③時間

では、力を込めて、詳しく解説していきます。

  1. 1.  適量
  2. 2.  内容
  3. 3.  時間

① 適量

どんなに内容が整った食事であっても、自分にとって適量でなければ、バランスが悪くなります。
摂取エネルギー量が、消費エネルギー量よりも過剰になると体重は増加します。摂取エネルギー量が、消費エネルギー量よりも体重は減少していきます。
ほぼ同じ量であれば、現状維持。日々の体重の増減は、食事摂取量の過不足の目安となります。






小児さん(0~17歳)の場合は、活動するだけでなく、発育や発達に必要なエネルギー量の確保もあるため、過不足がないよう、特に気をつけたいところです。
※成長曲線に沿って発育しているかが、摂取エネルギーの過不足の目安です。
※乳幼児の成長曲線に関しては、お手持ちの母子手帳に掲載されている身体発育曲線のグラフをご参照下さい。
0歳~18歳の成長曲線に関しましては、「厚生労働省 リーフレット・成長曲線を描いてみましょう」よりs0219-4a_047.pdf (mhlw.go.jp)をご参照下さい。

年齢別、性別、日々の活動別に、摂取エネルギー量は計算できるのですが、複雑でなかなか大変です。
※厚生労働省日本人の食事摂取基準(2020年版)参考02_各論_1-1_エネルギー_cs6_0116.indd (mhlw.go.jp)

参考までに、標準体型の方の推定摂取エネルギー量の一覧表を引用します。体格や、日々の活動量は、個人個人で違うため、あくまでも参考値としてご覧下さい。成人の場合は、感覚的には『腹八分目』を心がけましょう。

「あ~、おなかいっぱい!」は、完全に食べ過ぎ。よく噛んで、じっくりと味わいながら、食べるようにしたいですね。

引用:厚生労働省【日本人の食摂取基準(2020年版)】より

② 内容

食べ物は、摂取されて消化・吸収・排泄という、長い旅路を進んでいきます。
そこで【エネルギー】に変換される栄養素は、糖質、たんぱく質、脂質の3つ。
その長い旅路に必要な栄養素は、ビタミン・ミネラル・食物繊維。
これらの栄養素を、まんべんなく含む献立が、理想の組み合わせになります。
1回の食事に、主食+主菜+副菜を揃えて、乳製品・果物も摂るように心がけることで、必要な栄養素がまんべんなく揃う、バランスのよい献立になります。

✓「いただきます」で指差し確認してみましょう

1回の食事の内容は、主食+主菜+副菜を揃えるようにしましょう。毎回、指差し確認してみましょう。さらに、乳製品・果物を1日のどこかの時間で摂るように心がけると、よりバランスのよい献立になります。

③ 時間

1日3回の食事を、だいたい時間を決めて食べる。 当たり前のことが、栄養バランスをよくする重要なポイントです。
3回、食事をとることは、生きていくため、また発育・発達していくために必要なエネルギーや、栄養素を摂取するためだけではなく、生活リズムを整える点でも大事なことです。
食事は、身体のバイオリズムにも大きく影響を与えます。欠食が続くと自律神経の乱れや、体調不良の原因にもなります。また、空腹時間を長くして、一度に大量の食事をすることは、血糖値のコントロールを乱したり、肥満の傾向を高めることもわかっています。

【朝食の働き】 睡眠時に消費された栄養を補給。朝食を食べることにより、脳と身体が目覚めて、1日のスタートをスムーズに切ることができます。

【昼食の働き】 午後の活動に向けてのエネルギー補給。夕食までの時間が長いので、特に小児は間食(おやつ)で栄養を補給しましょう。

【夕食の働き】 1日の最後の栄養補給。就寝2~3時間前にとることが理想。

「栄養バランス」をよくするために押さえたい3つのポイント、いかがでしたか。毎日のお食事作りに、できることから、少しでも、取入れていただければ幸いです。
今回の内容で、わかりにくい、もう少し知りたい、などございましたら、お気軽に「オンライン栄養相談」をご利用下さい。日々のお食事の、小さな悩みや、疑問点、不安など、楽しくお話しをしながら、ご一緒に考えていきたいと思っています。
皆さまにお会いできますこと、楽しみにしています。

■野菜不足の時に ー ゴーヤの佃煮 ー

最後に。私の好きな野菜、【にがうり(ゴーヤ)の佃煮】レシピを紹介します。 野菜が足りないとき、ごはんのお供に、大活躍の1品になりますよ~。

<作り方手順>
①にがうりを縦半分に切り、種とワタをきれいに取り除き、2~3㎜幅に切る。
②鍋に湯を沸かし、①を2分ほどゆでて、ザルにとり、軽く水気を切る。
③再び②を鍋に戻して★を加えて中火にかけ、時々混ぜながら、水分がなくなるまで炒める。
④仕上げに、削り節を和えて、完成です♪ 

瀧先生によるオンライン栄養相談

オンライン栄養相談は、スマートフォンまたはPC上で、食物アレルギー分野管理栄養士に相談ができるサービスです。
食物アレルギー全般についての不安・離乳食の進め方・初めて食物アレルギーと診断された時の食事や栄養管理・入園・入学時の対応や注意点など様々なご相談を受け付けております。どんな小さなことでも構いません。
日常不安になっていることやお悩みになっていることがあればお気軽にご相談ください。
相談料は無料です。

詳しくはコチラから

読みものを探す

まずコレ!
食物アレルギー基礎情報

食物アレルギー初心者向け、まず押さえておきたい基礎情報